コンビニの敷地内にお店から出たゴミの集積場があるんですけど、ある日の深夜、あまりにもゴミが滅茶苦茶なものだから、そこでボクはゴミの分別をやっていたんです。

そこへパトカーがやって来きました。パトカーから中年のお巡りさんと若いお巡りさんが出てきて、若いお巡りさんがボクにこう言いました。

「お父さん、そこで何してるの？」

ゴミをゴソゴソしていたボクは「ここの店長です！」と答えました。（私服でした）

パトカーで巡回中、深夜のコンビニのゴミ置き場で人影が見えたものだから、どうやら不審者だと思ったみたいです。

「お巡りさん、毎日ご苦労様です！」
「悪い奴らからボクたちをいつも守ってくれてありがとうございます！」

ボクは、そんな想いでパトカーを見送りました。

でも気分は複雑です。

ボクが中学生だった頃、近藤真彦さまの“マッチカット”や藤井フミヤさまの“チェッカーズカット”を全校で一番最初にやっていた、あのおシャレな坊やが・・・、はたまた、二十歳の頃、吉田栄作さまのようにTシャツとGパン、そしてB-3の皮ジャンを羽織っていた、あの好青年が・・・

「お父さん」

かなりショックでした。バイトの学生君たちといつも一緒にバカ話をしてるので、気持ちは学生、見た目も学生だと思っていました。周りの人もそんな風に見ていると思っていました。でも「お父さん」だったなんて・・・・

百歩譲って「コンビニの太っちょ店長」ぐらいには薄々感じてはいましたけど、実は「コンビニのおっさん」だったとは・・・

福山雅治さまが「お父さん」に見えるでしょうか。イチローさまが「お父さん」に見えるでしょうか。織田裕二さまが「お父さん」に見えるでしょうか。郷ひろみさまは「お爺ちゃん」には見えませんよね。

最近、落ち葉がお店の中へ舞い込んできます。日に日に秋が深まってイク・・・・・。